恋愛は激しい思いをもたらし、また悲しみももたらすようです。

これはあくまでも一説です。ある人が書いていたのです。

恋愛の期間に、おもに女性が感じ取ろうとしているのは「この人は私に身体的にも心の面でもピッタリなのかしら」と(これは趣意です)判断するために観察をしている期間だと書いていたのです。これは大いにありうると思いました。

私は男性ですが、このことをすぐに受け入れることができました。

しかし振り返ってみると、いろいろと相手の意にそぐわないことをして来たと思うのです。大恋愛の期間、ある言葉を相手に言ったのです。

それは「まだ早いんじゃないの」という言葉です。場所は大学のキャンパス内でした。青い空が広がっていました。緑も眩しい季節でしたから、おそらく5月だと思います。

私と彼女はベンチに座っていました。話の途中で彼女は私にとっては驚くべき言葉を私に差し出しました。「ハンコを持って来て」と。

つまり籍を入れようという意味です。私は戸惑いの中で先の言葉を彼女に伝えました。今思えばこの時にYESと言っていたら私の運命は変わっていたことでしょう。

今とは別の人生を歩んだことでしょう。私たちはよく海を見に行きました。私達しか乗っていないバスの中での会話は格別でした。

浜辺で二人並んで腰を下ろし見る海も格別でした。何度も二人で同じ浜辺で語り合いました。運命的な出会いだと日常的に感じていました。

彼女も同じだったと思います。

大学を卒業した後、彼女はすぐに就職しました。私はアルバイトしながら彼女のお父さんが結婚を許してくれるよう、ある資格を取るために睡眠を削って勉強しました。私はその疲労で心を病みました。ある夜の事でした。

私は疲労だけを感じていました。彼女はある沈黙が訪れた後こう言いました。

「私が好きなの? 嫌いなの?」と。私は何もかも分からなくなっていました。何も言葉にできませんでした。彼女は初めて見る姿を見せました。

静かさと悲しみのみ感じさせながら、怖いほど静かに去って行きました。こんな結末は全く信じられませんでした。

今、彼女は画家として活躍しています。

私も市民としての義務を果たしています。恋愛は予想もつかないものをもたらすものだということを身に染みて経験したのです。